同じ宝石でも、カットの違いによって輝きが変わります。では宝石を最も美しく見せるカットとは一体どういうカットなのでしょうか。宝石の価値はカットで決まるとも言われるくらいなのです。
ここではカットの種類についてご説明します。
同じ宝石でも、カットの違いによって輝きが変わります。では宝石を最も美しく見せるカットとは一体どういうカットなのでしょうか。宝石の価値はカットで決まるとも言われるくらいなのです。
ここではカットの種類についてご説明します。
ペア(西洋梨)のような外形であることから名付けられました。涙のしずくを型どったようでもあるため、「ティアドロップ」とも呼ばれているカッティングです。これは、ブリリアントカットの変形版であり、58面のファセットを持つ、ファンシーシェイプカットのグループに入ります。プロポーションが美しさを決める重要な要素となるため、輪郭をよくチェックすることが大切です。大粒の宝石のカットに適した石であり、ネックレス用のカットとしても人気が高いです。
昔は水雷形と呼ばれたボートの形状のようなカットです。原石が細長い石の場合に用いられ、これもブリリアントカットの変形版であるファンシーシェイプカットに属します。このため、58面体の構成となっていますが、輝きが強くなるという理由から、なかには18面体にカットされることもあります。マーキスとはフランス語で「侯爵」の称号を意味します。他のカット方法と比較すると、カラット数の割に大きく見せるのもマーキスカットの特徴です。
小判型の外見を持ち、様々な宝石のカットに用いられますが、ダイヤモンドで採用される際は、58面体を持つブリリアントカットにされます。これもファンシーシェイプ・ブリリアントカットのグループに属します。このカットを選ぶ時は、透明度や輝きをチェックするのと同時に、全体のプロポーションから受ける印象を大切にすることが重要です。輪郭のバランスなどが影響しているため、これだけでも宝石から受ける影響は大きく変わります。
名前のとおり、ハートの形のカットです。ロマンチックな上に、個性的なカットとして、特に若い女性に人気です。ファンシーシェイプカットと呼ばれるグループに属すこともあり、このカットも58のファセットを持っています。ラウンドブリリアントカットに比べ、日本では稀少性のあるデザインですが、アメリカやヨーロッパでは人気のあるカットでもあります。世界的な視野で考えると、ハートシェイプカットされたリングやネックレスは、今後価値が上がることも考えられています。
エメラルドのカットとしてよく用いられますが、他の宝石でも用いられます。長方形に型どり、各コーナーを切り取ったシェイプにカットされるのも特徴です。平面が広くカットされるため、キズやインクルージョンが多い結晶のものは、かえって美しさを損なう恐れがあります。しかし、透明度の高い結晶を用いると、ラウンドブリリアントカットとは異なる澄んだ美しさを出します。平面に対する四隅のバランスや、カットの正確さも評価を分けるポイントです。
プリンセスカットはバゲットカットに58面のファセットを施したものです。特徴はテーブル面の面積が広いことです。1970年代後半に開発された比較的新しいカットですが、アメリカではとても人気があります。強い輝きが出るカットであるのと同時に、気品ある落ち着いた雰囲気を演出できることがその理由です。原石を半分も切り取ってしまうラウンドブリリアントカットと比較すると、大粒の一品に仕上げやすいのもメリットですが、エッジが欠けやすい点に注意が必要です。
カボションカットは角度を持ちません。ファセットカットのようなブリリアンシー(反射光)、ファイア(虹彩)、フラッシュ効果などを受けてキラキラと輝くことはありませんが、表面のツヤや色、形の美しさを表現する際に用いられます。また、半透明石のカッティングとして多く利用されます。球形や楕円形の形が多いのですが、最近はペアシェイプ形のデザインも人気があります。